(仮訳)北米産大型菌類の研究 (1):新組み合わせLactarius rubidusの有効記載および新種Leccinellum quercophilumの記載
Kuo, M. et al., 2013. Studies of North American macrofungi, 1. Validation of Lactarius rubidus comb. nov. and Leccinellum quercophilum sp. nov. Mycotaxon. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/mtax/mt/2013/00000124/00000001/art00034 [Accessed April 20, 2014].
【R3-00627】2014/04/20投稿

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3行まとめ

米国西海岸で採集されたLactarius fragilis var. rubidusに関して、タイプ標本を含めて検討を行った。
本変種は1997年に種のレベルに昇格させられたが、記載が無効と考えられたので、本論文で有効に記載を行った。
また、北米東部で採集された、従来Leccinum griseumと同定されていた菌を、Leccinellum quercophilumとして新種記載した。
United States, Illinois, Coles County, Charleston

(新種)

Leccinellum quercophilum M. Kuo
語源…オークを好む
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【よく似た種との区別】
Leccinum griseum
形態的に類似しており、従来しばしば同一視されてきた
本種と異なり北米東部ではなくヨーロッパに分布する
本種と異なり主にコナラ属ではなくクマシデ属樹木と関係を持つ
本種と異なり傘が帯青緑色に変色しない
本種と異なり管孔が帯クリーム白色ではなく帯黄色
本種と異なり柄が帯緑色~帯青色に変色しない(ごく稀に柄の基部が変色することはある)
本種と異なり肉が切断時に帯灰色~灰色ではなく濃紫色に変色する
ITS領域の塩基配列に3%を超える違いがある (Leccinum carpiniとしての登録配列)
Leccinum crocipodium
本種と異なり北米東部ではなくヨーロッパに分布する
本種と異なり子実層托が帯クリーム白色ではなく黄色
本種と異なり子実体が緑色に変色しない
ITS領域の塩基配列に3%を超える違いがある
Leccinum talamancae
本種と異なり傘が帯青緑色ではなく緩やかに桃色~帯赤橙色に変色する
本種と異なり柄が帯緑色~帯青色に変色せず、頂部が緩やかに桃色~帯赤橙色に変色する
ITS領域の塩基配列に3%を超える違いがある

(新組み合わせ)

Lactarius rubidus (Hesler & A.H. Sm.) Methven
旧名:Lactarius fragilis var. rubidus Hesler & A.H. Sm.
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【よく似た種との区別】
Lactarius fragilis
北米に分布する
担子胞子が球形
担子胞子の装飾が部分的~完全な網目状
本種と異なり米国の西部ではなく東部に分布する
本種と異なり傘が淡褐色~褐色または帯赤褐色ではなく焼けた琥珀色~タバコ褐色
本種と異なり襞が淡橙色ではなく帯黄色
本種と異なり襞の間隔が疎~やや密ではなくやや疎
本種より担子胞子のアミロイド性の装飾の量が多い
本種とITS領域の塩基配列が異なる
Lactarius camphoratus(ニセヒメチチタケ)
北米に分布する
本種と異なり米国西部ではなく東部およびヨーロッパに分布する
本種と異なり傘が淡褐色~褐色または帯赤褐色ではなく赤褐色
本種と異なり襞が淡橙色ではなく帯桃肉桂色
本種と異なり襞の間隔が疎~やや密ではなくやや密~密
本種と異なり乳液がホエー状ではなく乳白色
本種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく広楕円形
本種と異なり担子胞子の装飾が部分的~完全な網目状ではなく、独立したトゲ状および途切れた網目状になる結節状の畝状
本種とITS領域の塩基配列が異なる